出雲の神話から学ぶ「恋愛の秘訣」とは?

ちょっとひと息コラム

出雲は縁結びの地として有名ですが、その背景には様々な恋愛模様が描かれた神話があります。出雲の神話に登場する神々は、人間と同じように恋に悩んだり、嫉妬したり、裏切られたりしました。しかし、彼らはそれぞれに自分らしく恋を成就させる方法を見つけました。今回は、出雲の神話から恋愛の秘訣を学んでみましょう。

スサノオとクシナダヒメ:運命の出会いを逃さない

スサノオは高天原から追放された後、出雲に降り立ちました。そこで彼は八岐大蛇という恐ろしい怪物に襲われている美しい姫君、クシナダヒメと出会います。スサノオは八岐大蛇を退治してクシナダヒメを救い、彼女と結婚しました。

スサノオとクシナダヒメは運命的な出会いを果たしましたが、それだけでは恋は成就しませんでした。スサノオはクシナダヒメの父親から試練を課されましたが、それを乗り越えて彼女と結ばれました。また、スサノオはクシナダヒメと一緒に暮らすために自分の故郷や地位を捨てる決断をしました。スサノオとクシナダヒメは運命の出会いを逃さないだけでなく、愛を守るために努力したカップルです。

オオクニヌシとスセリビメ:相手の気持ちを尊重する

オオクニヌシは出雲国造りの神として知られていますが、彼もまた恋多き神でした。彼は多くの女神と恋に落ちましたが、その中でも最初に結婚したスセリビメという女神との関係は特別でした。スセリビメはスサノオの娘であり、オオクニヌシは彼女と一目惚れしました。

しかし、スセリビメと結婚するためにはスサノオから四つの試練を受けなければなりませんでした。それは火中・水中・鉄の山・大蛇の間という危険な場所でしたが、オオクニヌシはスセリビメの助けを借りて無事に乗り切りました。そして、スサノオから出雲国を譲り受けてスセリビメと結婚しました。

オオクニヌシとスセリビメは相手の気持ちを尊重するカップルです。オオクニヌシはスセリビメの父親であるスサノオに敬意を払い、試練に挑みました。スセリビメはオオクニヌシの恋心に応え、彼を助けました。また、オオクニヌシは後に他の女神とも恋に落ちましたが、スセリビメは彼を信じて許しました。彼らはお互いに自由を与え、束縛しない関係でした。

イザナギとイザナミ:別れを乗り越える

イザナギとイザナミは日本の神話の中でも最も有名な夫婦です。彼らは天の浮橋から槍を突き出して海水をかき回し、日本列島を作りました。そして、多くの神々を産みましたが、最後に火の神を産んだ時にイザナミは死んでしまいました。

イザナギはイザナミを追って黄泉の国へ行きましたが、そこで彼女が朽ち果てた姿を見て驚いて逃げ帰りました。イザナミはそれに怒ってイザナギを追いかけましたが、イザナギは岩で黄泉の国とこの世との境界を塞ぎました。二人は永遠に別れることになりましたが、イザナミは「愛しい人よ、こんなひどいことをするなら私は1日に1000の人間を殺すでしょう」と言います。これは、イザナミが黄泉の国の主宰神となり、死者の神として人間の命を奪うことを意味しています。一方、イザナギは「愛しい人よ、それなら私は産屋を建てて1日に1500の子どもを産ませよう」と言います。これは、イザナギが現世の創造神として人間の命を与えることを意味しています。

イザナギとイザナミは別れを乗り越えるカップルです。彼らは死別という悲しみに直面しましたが、それぞれに新たな役割を見つけました。イザナギは自らの身から太陽神や月神などの重要な神々を生み出しました。イザナミは黄泉の国の女王となり、人間の死や再生の神となりました。彼らは互いに愛し合っていたが、現実を受け入れて前に進みました。

みか
みか

神様の世界も人間と同じなのですね